「アルバイトが焼くのとは違います。火が通れば完成ではなくて、店主はいかに美味しく焼くかを常に考えるものです。秒単位でひっくり返す人もいるくらいです」。
「それに、店主はお客さまの食べるペースをちゃんと見ていて、お腹が空いてどんどん食べているようならどんどん焼くし、ゆっくりなら、食べ終える頃に次の串が焼き上がるようにと、ペースに合わせて焼いてます」
「お客さまによって、皮はカリカリがいいなんて方もいますよね。店主はそんな好みも覚えて対応することもできますね」。
焼き加減も客ごとにカスタマイズするのだから旨いわけだ。
「もう1つ、焼き台がいいんですよ」。“大吉グリラー”と呼ぶそれは、電気式の熱線で炭火と遜色ない焼き上がりになるよう工夫が凝らされているのだとか。「炭を熾す手間や火の管理、後始末なしで、炭代のコストも掛かりませんよ!」
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『大吉』のつくねは、ことに旨いとファンが多いらしい。
「調味料などを含めると、13種の食材を使っています。とり肉・絹豆腐・ショウガ・タマネギ・醤油・ごま油などです。鶏肉は「せせり」の二度挽きです。」
「伝統のレシピがあって、まわりはカリッと中はふわっと焼き上げます」。
レシピはあるのに、店ごとに微妙に味が違うのはなぜなのだろう。
「タマネギをみじん切りし、水分を調整したり、混ぜ合わせる力加減を調整したりする店主もいます。もうあと2回こねたらもっと旨くなるかもとか、豆腐の水分の切り方を変えたらどうだろうと、それぞれが、もっと美味しくを追求してるんです」。
「だから、『うちのが一番美味しい』と、どの店の店主も主張するんですよ」。
姿形は同じ丸いふわっとしたつくねだが、あちこちの『大吉』を食べ比べてみるのも面白そうだ。
「あと、皮もカリカリで旨いんですよ。ボイルしてから、余計な脂を取り除いてあるし、串に打つなみなみの波状が細かいからね」
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